休日(労働基準法第35条)

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回3)の休日2)を与えなければならない5)

前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える4)使用者については適用しない。

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2) 休日

本条の休日は、1暦日すなわち午前零時から午後12時までの24時間であるか、又は単に継続24時間で足りるかという問題がある。1勤務が1暦日のうちに行われる場合は、休日が1暦日であるか、継続24時間であるかは問題とはならないが、1勤務が例えば午後10時から翌日午前6時までというように2暦日にまたがっている場合に問題となる。
この問題について解釈例規は、原則として暦日休日制をとっている(昭23・4・5 基発第535号)。例えば、午前8時から翌日午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日午前8時までの非番とを繰り返す1昼夜交替勤務の場合にも、暦日休日制の原則が適用され、非番の継続24時間は休日と認めず、したがって、さらに非番日の翌日に休日を与えなければ、本条の休日を与えたことにはならない(昭23・11・9 基収第2968号)。
右の事例では、非番は24時間あるけれども、これを休日と認めたのでは労働者の休息確保に欠けるところがあるからである。
ところで、鉱山や化学工場におけるように、8時間3交替制の場合についてみると、例えば、1番方午前6時-午後2時、2番方午後2時-午後10時、3番方午後10時-翌朝午前6時の3交替制で、1週ごとに番方が替わる場合、暦日の休日を与えればならないとすれば、交替前の1番方及び2番方には2暦日の休日を与えなければならないこととなる。このようなことは週休制をとった立法の趣旨に合致しないこととなるので、解釈例規(昭63・3・14 基発第150号・婦発第47号)は、このように番方編成による交替制の場合で次のいずれにも該当するときは、休日は継続24時間を与えれば差し支えないとしている。

①番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること。
②各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないこと。

3) 少なくとも1回

本条が使用者に義務づけているのは少なくとも週1回の休日であるから、1週1回の休日を与えれば本条違反とはならない。しかし、実際には各事業場においても、週1回の休日のほかに会社創立記念日、メーデー、国民の祝日、地方祭等を休日としているところや、何らかのかたちで週休2日制を採用しているところが少なくない。
そのような場合に、第33条又は第36条の規定によって行政官庁の許可を受け、又は労使の協定をしなければならない休日労働とは、週1回の休日に労働をさせる場合であり、週1回の休日のほかに使用者が休日と定めた日に労働させる場合は含まない(昭23・12・18 基収第3970号)。したがって、完全週休2日制をとる場合には、週2回の休日のうちいずれかの日に労働させたとしても、他の1日の休日が確保されている限り本条違反とはならない。

4) 4週間を通じ4日以上の休日を与える

変形休日制を定めたものである。ただし、毎週少なくとも1回の休日が確保されることが望ましいことはいうまでもなく、解釈例規においても、「第1項が原則であり、第2項は例外であることを強調し徹底させること」としている(昭22・9・13 基発第17号)。
4週4日の休日制には業種の限定等はなく、一般に業務の都合により必要ある場合はこれを採用することができる。
本項は、第32条の二の場合と異なり4週4休日について具体的な定めをすることを法律は要求していない。しかし、週休制の場合においても述べたように、労働者保護の見地からは、休日を特定することが望ましいことは論をまたないところでもあるので、解釈例規も「第2項による場合にも、出来る限り第32条の二第1項に準じて就業規則その他これに準ずるものにより定めをするよう指導すること。」としている(前掲通達)。
なお、「4週間」の意義については、特定の4週間に4日の休日があればよく、どの4週間を区切っても4日の休日が与えられていなければならないという趣旨ではない。したがって、例えば、第1週1日、第2週0日、第3週2日、第4週1日、第5週0日、第6週2日、第7週1日、第8週1日と定められている場合は、第2週から第5週までの4週についてみれば、休日は3日であるが、第1週から第4週まで及び第5週から第8週までの各4週間に4休日があるから、本条違反とはならない(昭23・9・20 基発第1384号)。

5) 本条違反

本条の違反については、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる(第119条第1号)。

 

出所
労働基準法 (労働法コンメンタール) 厚生労働省労働基準局編